64日(日)、福岡市博多区のT ・ジョイ博多で、映画「美しい星」の上映前に、主演のリリー・フランキーさんと吉田大八(よしだだいはち)監督が舞台挨拶され、その後、取材陣のインタビューに応じてくださいました。

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26日(金)より全国公開となった映画「美しい星」は、「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」の吉田大八監督が、三島由紀夫の小説「美しい星」を映画化した作品で、 30年前にこの小説を読んだ時から、いつか自分が映画にしたいと思っていたそうです。

本作でリリー・フランキーさんは火星人として目覚める、"当たらない"お天気キャスター、大杉重一郎を演じられています。

福岡について−−−
リリーさん「二人とも九州出身で、いっしょに訪問したいと思ってました。亀梨じゃなくて、悪いね。福岡に帰って来て、黄砂で喉がガラガラになりました。夕べは(春吉のお店)"女とみそ汁"で飲みました。」
吉田監督「橋本愛さんが出身地の熊本に行ったと聞いて、僕らもとお願いして、舞台挨拶にお伺いさせていただきました。僕は昨日、出身地の鹿児島に行って、今日ここで、福岡出身のリリーさんと合流しました。」

おふたりの背格好、衣装について。
リリーさん「僕ら、藤子不二雄って言われてます(笑)。この格好でメガネかけてたら、手塚治虫先生だったので、さっき外してきました。」

映画化について−−−
吉田監督「『美しい星』はずっと映画にしたいと言ってました。でも、三島さんの作品はなかなかハードルが高くて。」
リリーさん「獣医学科作るのと同じくらいレベルが高くて。ふたりとも偉い人とお友達じゃなかったんで(笑)」
吉田監督「いろいろなご縁で今回映画化することができました。僕が原作の重一郎と同い年になったタイミングでこの映画を撮れたことも、なにかのご縁だったのかと。実はリリーさんも同い年なんです。」
リリーさん「ちなみにジョニー・デップも同い年です。ブラッド・ピッドも。マイケル・ジョーダンの1個下です(笑)」

映画の設定と役作りについて−−−
吉田監督「現代の話として、原作の設定を大幅に見直して作りました。」
リリーさん「僕はお天気キャスターで、お父さんで、火星人で、不倫してます。ふつうのところが不倫だけです。お天気キャスターは森田正光さんの現場を見学させていただきました。宇宙人の役作りはしようがない。」

映画の反響について−−−
吉田監督「SNSではいろんな感想があって。熱い感想が多いんですよね。」
リリーさん「公開1週間すぎてもお客様が増えています。吉田監督の中では『桐島、部活やめるってよ』パターンですね。あとから口コミで観客が増えていくパターンです。わからないことがたくさんで、泣いた人、大笑いして帰った人、観る人によって、受け止め方が違うんですよね。あと、 R指定ではありませんので。俺がケツ出してるだけです(笑)。」

登場する家族について−−−
吉田監督「ふつうの家族が使命に目覚めるんです。火星人、水星人、金星人、地球人。」
リリーさん「お母さんの地球人ってのが笑える。お母さんが他の星人同士のケンカを仲裁するんですよ。おかんという宇宙が一番大きいんだなと(笑)。あと、この映画を観終わった後に、周りの人たちや街の人たちが何かの使命を帯びているじゃないかなと見えて来ました。リアルな世界も違って見えて来ました。」

最後に−−−
リリーさん「もう舞台挨拶することないかもしれないから、もっとしゃべりたいところですが(笑)。この映画は、日本になかなかないポップな映画、かっこいい映画です。三島由紀夫がそういう人だと再認識しました。そして、そんな三島さんの原作で吉田監督の映画に出られてうれしかったです。ありがとうございました。」
吉田監督「人により受け止め方が色々と異なる作品になりました。観た後に会話が盛り上がるはずです。どうぞ皆さんでご覧になって下さい。」

その後、別室でインタビューをさせていただきました。
映画と原作で設定が変わっていますが、原作と変えたくないシーンもあったり、「ウルトラセブン」のメトロン星人登場シーンや漫画「デビルマン」のラストシーンにインスパイアされたシーンもあるそうです。
また演技で苦労した点として、「このシーンの宇宙人の気持ちがわからない」と佐々木蔵之介さんや中嶋朋子さんが悩まれていたエピソードや、撮影中に自然と涙が出そうになったリリーさんに吉田監督が「泣くな」と指示したり、かと思えば他の場面では「泣いて。目薬使わず泣いて」と指示したりしたエピソードを面白おかしく話してくださいました。
リリーさんによると、吉田監督はいわばオーケストラの指揮者で、ひとつひとつの場面、カットの組み合わせで、大きな映画を奏で上げているとのことでした。

映画「美しい星」、526日(金)より TOHOシネマズ天神、T・ジョイ博多、イオンシネマ福岡ほか、全国ロードショーです。
ぜひ、劇場に足を運んでみてください。

[作品概要]
その手で"美しい星・地球"を救えると信じた、とある平凡な"宇宙人一家"の悲喜劇。
"当たらない"お天気キャスターの父・重一郎(リリー・フランキーさん)、野心家のフリーターの長男・一雄(亀梨和也さん)、美人すぎて周囲から浮いている長女・暁子(橋本愛さん)、そして心の空虚を持て余す母・伊余子(中嶋朋子さん)。ごく平凡な大杉家の4 人が、ある日なぜか、 火星人、水星人、金星人、地球人として覚醒する。その使命は、"美しい星・地球"を救うこと。ひとたび目覚めた彼らは生き生きと奮闘を重ねるが、やがて世間を巻き込む騒動を引き起こし、それぞれに傷ついてゆく。なぜ彼らは目覚めたのか? そもそも本当に、目覚めたのか? そんな一家の前に一人の男(佐々木蔵之介)が現れ、「この地球に救う価値などあるのか」と問いかけるのだが―――?
刊行から55年。日本文学界の巨星・三島由紀夫が自ら愛した異色のSF 小説を、『桐島、部活やめるってよ』などの鬼才・吉田大八監督が悲願の映画化。舞台を米ソ冷戦時代から現代に大胆にアップデートし、 ある日突然覚醒した「宇宙人」の姿を通して、今を生きる「人間」を鮮やかに活写する。出演者にもリリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介ら旬の豪華キャストが集結し、めくるめく宇宙的アンサンブルを繰り広げる。予測不能な展開に、五感が【覚醒】する、渾身の人間賛歌。

原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
監督:吉田大八
脚本:吉田大八、甲斐聖太郎
音楽:渡邊琢磨
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介ほか
2015
/日本映画/127 /カラー/シネスコ/5.1ch デジタル
助成:文化庁文化芸術振興費補助金
(C)2017「美しい星」製作委員会
配給:ギャガ
公式サイト:http://gaga.ne.jp/hoshi/


 






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