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映画「ウインド・リバー」が2018年7月27日(金)より全国ロードショーとなります。

7/27(金)公開 映画『ウインド・リバー』

[INTRODUCTION]

荒涼としたメキシコ国境地帯におけるアメリカの麻薬戦争の知られざる実態に迫った『ボーダーライン』(15)。銀行強盗を繰り返す兄弟とそれを追うテキサス・レンジャーの攻防を通して、アメリカンドリームの衰退をあぶり出した『最後の追跡』(16)。共に批評家筋の絶賛を博し、それぞれ第88回アカデミー賞®で3部門、第89回アカデミー賞®で4部門にノミネートされたこの2本の骨太な快作は、物語の舞台となった場所も監督&キャストもまったく異なるが、同じシナリオライターが手がけたオリジナル脚本に基づいており、一貫した奥深いテーマが息づいている。その脚本家の名前はテイラー・シェリダン。ハリウッドで今最も注目を集めるクリエイターのひとりと言っても過言ではない新進気鋭の才能が自らメガホンを執り、圧倒的な緊迫感がみなぎるクライム・サスペンスを完成させた。それが“Rotten tomatoes”で満足度87%(04/10時点)と世界中の批評家に絶賛され、第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて監督賞に輝いた『ウインド・リバー』である。

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わずか全米4館の限定公開でスタートした本作は、作品のクオリティの高さがSNSや口コミで広まり公開4週目には2095館へと拡大。興収チャート3位にまで昇りつめ、6週連続トップテン入りのロングラン・ヒットを記録した。
多くの観客の関心を引きつけた大きな要因は、『ボーダーライン』『最後の追跡』に続き、現代社会の潮流から“忘れ去られた人々”に光をあてたテイラー・シェリダン監督の視点にある。今回の舞台となるウインド・リバーは全米各地に点在するネイティブアメリカンの保留地のひとつで、荒れ果てた大地での生活を強いられた人々は貧困やドラッグなどの慢性的な問題に苦しんでいる。保留地で頻発する女性たちの失踪や性犯罪被害にインスパイアされ、その信じがたい現状を告発した本作は、まさに今のアメリカに渦巻く闇を衝撃的なストーリー展開でえぐり出していくのだ。

さらに、ミステリー仕立てのクライム・サスペンスとしての充実ぶりも目覚ましい。心に傷を抱えた孤高のハンターとFBIから派遣された新人女性捜査官という対照的なコンビが、幾多の苦難に見舞われながらも心を通わせ、理不尽な殺人事件の真相ににじり寄っていく様をスリリングに描出。不意に炸裂するアクション・シーンを織り交ぜながら、主人公たちが必死の思いで貫こうとする“正義”の重みをひしひしと伝えるエモーショナルなドラマは、観る者の心を揺さぶってやまない。

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ウインド・リバーの大地に根ざして生きる凄腕のハンターで、殺人事件の捜査に協力する主人公コリーを演じるのはジェレミー・レナー。『ハート・ロッカー』でアカデミー賞®賞主演男優賞にノミネートされ、『メッセージ』での好演も記憶に新しい実力派スターが、ストイックでありながら豊かな人間味を内に秘めたキャラクターをこのうえなく魅力的に体現し、キャリア最高の名演技を披露する。

殺人捜査の経験をほとんど持たず、厳寒の山岳地帯に初めて足を踏み入れるジェーンに扮するのはエリザベス・オルセン。いかにも頼りなげに登場する新人捜査官が、いたいけな少女が犠牲となった悲劇的な事件に心を痛め、過酷な試練を乗り越えて成長していく姿が深い共感を誘う。くしくもレナーとオルセンは“マーベル・シネマティック・ユニバース”のホークアイ、スカーレット・ウィッチ役で共演経験があり、両者の新たな“共闘”が実現したことも大きな話題である。

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また、雪に閉ざされた大自然の風景をダイナミックに捉えた映像世界に荘厳な神秘性を吹き込む音楽を創出したのは、『ジェシー・ジェームズの暗殺』『最後の追跡』などのニック・ケイヴとウォーレン・エリス。『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』のベン・リチャードソン(撮影監督)、『アメリカン・スナイパー』でアカデミー賞®にノミネートされたゲイリー・D・ローチ(編集)らの一流スタッフの見事な仕事ぶりも見逃せない。

[STORY]

なぜ、この土地(ウインド・リバー)では少女ばかりが殺されるのかーー

アメリカ中西部・ワイオミング州のネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。その深い雪に閉ざされた山岳地帯で、ネイティブアメリカンの少女の死体が見つかった。第一発見者となった野生生物局の白人ハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、血を吐いた状態で凍りついたその少女が、自らの娘エミリーの親友であるナタリー(ケルシー・アスビル)だと知って胸を締めつけられる。

コリーは、部族警察長ベン(グラハム・グリーン)とともにFBIの到着を待つが、視界不良の猛吹雪に見舞われ、予定より大幅に遅れてやってきたのは新米の女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)ひとりだけだった。

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死体発見現場に案内されたジェーンは、あまりにも不可解な状況に驚く。現場から5キロ圏内には民家がひとつもなく、ナタリーはなぜか薄着で裸足だった。前夜の気温は約マイナス30度。肺が凍って破裂するほどの極限の冷気を吸い込みながら、なぜナタリーは雪原を走って息絶えたのかーー

監察医の検死結果により、生前のナタリーが何者かから暴行を受けていたことが判明する。彼女が犯人からの逃走中に死亡したことは明白で、殺人事件としての立件は十分可能なケースだ。しかし直接的な死因はあくまで肺出血であり、法医学的には他殺と認定できない。そのためルールの壁にぶち当たり、FBIの専門チームを呼ぶことができなくなったジェーンは、経験の乏しい自分一人で捜査を続行することを余儀なくされ、ウインド・リバー特有の地理や事情に精通したコリーに捜査への協力を求める。

コリーとジェーンはナタリーの父親マーティンのもとを訪ね、事件発生の夜にナタリーが恋人に会いに行っていたことを聞き出す。心を病んだ妻とドラッグ中毒の息子を抱えるマーティンは、かけがえのない存在である愛娘の命を奪われて憔悴しきっていた。

捜査を進めるコリーとジェーンは、鬱蒼とした森の中で白人男性の遺体を発見。彼の身元はナタリーの恋人のマット・レイバーン(ジョン・バーンサル)だった。

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その夜、自宅にジェーンを泊めてやったコリーは、つらい過去を打ち明けた。3年前に娘のエミリーを亡くしたコリーは、それが原因でネイティブアメリカンの妻と離婚し、幼い息子とも離れ離れに暮らしている。コリーの留守中に失踪を遂げたエミリーは、ナタリーと同じように自宅から遠く離れた場所で変わり果てた姿となって発見され、事件の全容は未だ不明のまま。コリーはそれ以来ずっと、娘を守ってやれなかった罪悪感に苛まれ続けていた。コリーの心の傷に触れたジェーンは、部外者の彼が献身的に捜査に協力してくれている理由を察するのだった。

コリーとジェーンはベンが応援に駆り出した若い保安官4人を引き連れ、マットの同僚たちが寝起きする山奥のトレーラーハウスに乗り込んでいく。

やがて不自然な言動を連発する警備員たちとジェーンらとの間に一触即発の緊張が走り、両者が一斉に拳銃を抜いて対峙する非常事態が勃発する。はたして事件当夜、この人里離れたトレーラーハウスで何が起こったのか。ウインド・リバーの静寂を切り裂く凄まじい銃声が鳴り響くなか、ついに明らかになる衝撃の真実とは……。

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[REVIEW]

ネイティブアメリカンの少女の殺人事件が起きたネイティブアメリカン保留地の闇を描く、緊迫のサスペンスでした。
第70回(2017年)カンヌ国際映画祭〈ある視点部門〉監督賞を受賞しています。
ぜひ劇場に足を運んでみてください。

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映画「ウインド・リバー」
2018年7月27日(金)全国ロードショー
監督・脚本:テイラー・シェリダン
出演:ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、ギル・バーミンガム
提供:ハピネット、KADOKAWA
配給:KADOKAWA
コピーライト:© 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト:http://wind-river.jp/
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